?Aその他の場合
b=t+2L+5 (3.5)
ただし、上記?@より大きくする必要はないを標準とする。ここに、tは三層クラッド鋼に溶接されるアルミニウム合金の板厚(mm)、Lはアルミニウム合金のすみ肉脚長(mm)で図3.16に示す。
三層クラッド鋼素材の内側曲げ半径は、素材厚さの6倍以上である。突合せ溶接部の場合は、表曲げ(アルミニウム合金側が外面)が内側半径500mm以上、裏曲げと側曲げは厚さの6倍以上であるが、素材を曲げ加工後に突合せ溶接するのがよい。
表3.22は、三層クラッド鋼同士の突合せ継手及び角継手における開先形状を示す。構造上から応力集中が予想される箇所、例えば、上部構造端部とか開口部コーナ等には、角継手をできるだけ設けず、曲げ加工したものを用いるようにする。
(2)四層クラッド鋼四層クラッド鋼は表3.21(b)に示したように、三層クラッド鋼におけるSM400B鋼の代わりにSUS304鋼を用い、さらに厚さ2mmのニッケルを挟んだもので、厚さは35mmである。アルミニウム合金船の場合はSUS304鋼製艤装品を船体に溶接で取り付けたり、また、漁船では漁具による磨耗や磨損を防ぐためにSUS304鋼板で保護を必要とするような部位、例えば、底びき網漁船のとも部等がある。これらの接合に用いるもので、取扱い方は三層クラッド鋼と同じである。
3.1.8 ハニカムパネル
ハニカムとは、アルミニウム箔、クラフト紙、プラスチック等の薄いシート状素材を六角形の集合体である蜂の巣状に接着成形したものをいう。これをサンドイッチ構造用コア材として使用することにより軽量で、かつ、高強度、高剛性のパネルが得られる。正式には、ハニカムサンドイッチ構造体と呼ぶべきものである。ハニカムは方向性を持っており、図3.17(a)に示すようにアルミニウム箔の連続する方向をL方向、それに直角方向をW方向と呼ぶ慣習になっている。また、六角形に内接する円の直径bがセルサイズで、通常、インチ(inch)サイズで呼ばれており、1/8〜1”(3.2〜25.4mm)にわたって各サイズがある。
ハニカムにアルミニウム箔を使用する場合、接着剤で接合したものと、ブレージン.グ・シートを用いて面板と一体ろう付けした方式の2種類がある。一般にアルミニウム・ハニカムパネルと呼ぶ場合は、ハニカムコアと面板を接着剤で接合した前者を指している。これは第二次大戦中に英国で開発され、戦後、米国で工業化されて約40年余、重量軽減要求の厳しい航空機関係では不可欠の材料となっている。問題点は接着剤を含めての価格であったが、最近はかなり見直されて鉄道車両、産業機器、建築関係の用途が徐々に拡大してきた。後者のフレージング・シートを用いたろう付けハニカムパネルは商品化されて数年を経たが、ティグ・ミグ溶接のできる構造材料として前者と同様な分野に採用され始めた。
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